博士課程前期

鈴江文子
在外公館専門調査員(外務省)

自分の核となる専門性を確立したいと考え、公務員を辞めて横浜国立大学大学院国際社会科学府・国際経済法学専攻博士前期課程に入学しました。

豊富な海外フィールド・スタディプログラムに参加したこと、世界中からの留学生と切磋琢磨する環境に身を置けたことは、研究および将来の進路に対する視野を大きく広げてくれました。
また、研究だけでなく就職活動の相談にも熱心にのってくださる先生方のご助力により、現在のポストである外務省・在外公館専門調査員への応募・合格を実現させることができました。

現在はジュネーブで世界貿易機関(WTO)の紛争処理業務を担当していますが、横国での国際色あふれる経験は、国際貿易紛争の最前線に立つ上で大いに役立っています。

※所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2017年10月)

Profile
2016年横浜国立大学国際社会科学府国際経済法学専攻修了。

早矢仕健太
金融機関職員(農林中央金庫)

租税法、法律学を徹底的に学んだ2年間

私は、学部時代に趣味で学んでいた簿記から一歩進み、租税法の世界に興味を抱きました。進学先を決める際には、様々な大学へ足を運び、話を伺いましたが、多くの方から本学の租税法ゼミを強く勧められたことが決め手となり、川端康之先生のご指導のもと、租税法、そして法律学を一から学ばせていただきました。

当然ですが、大学院生活で身につけることができる知識には限界があります。特に、法律初学者だった私にとって、二年間はとても短いものでした。しかし、川端先生のゼミでは、実務と密接に関わる租税法という分野の特徴を踏まえ、実務家の方と合同勉強会を実施するなど、理論のみにとらわれない幅広い知見を得る機会をたくさん設けていただき、この上なく成長できたことを実感しています。

また、修士論文を書き上げるためには、言語の垣根を越えて大量の情報を収集し、取捨選択する必要があります。この過程で身につけた調査能力は現在の仕事においても、非常に役立っています。刻々と変化する世界経済情勢を前に、自身の知識のみで最適解にたどり着くのは困難であり、情報を探す手段を熟知することは仕事の効率に直結すると感じるからです。

現在の仕事では、機関投資家の一員としてファイナンスにかかわる幅広い知識が要求されますが、本学において租税法という専門分野を確立できたことは大きな自信に繋がるとともに、新しい学問領域への足掛かりとなっています。将来的には税務に関わるプロジェクトを担当し、より専門性を高めたいと考えています。

※所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2016年2月)

 

Profile
2015年横浜国立大学国際社会科学府国際経済法学 租税法専攻修了。法学修士

青柳淳子
税理士(税理士法人山田&パートナーズ、KPMG税理士法人、税理士法人AKJパートナーズ)

法律のプロを目指すなら

はっきりとテーマを決めてはいませんでしたが、租税法、とりわけ国際課税の研究をしたいと思っていたため、そうした環境の整ったYNU大学院を選びました。

大学院では、判例、学説等を通じて税法の考え方の根本を学び、ゼミを通じて税法解釈の奥深さを知ることができました。希望していた国際課税についても2年間という短い間ではありましたが、期待通りの研究ができました。また、会社法、国際法その他法律分野を幅広く学ぶことで、法律間の結びつきや関連性について、租税法を学ぶだけでは分からなかった多くのことに気付けたと思います。

研究科の特色の1つでもありますが、留学生や外国政府からの派遣、社会人経験者など様々なバックグラウンドを持つ学生が多く、また法科大学院の学生と共通の講義を受ける機会もあり、彼らと議論することで多くの観点、考え方を知ることができたのは、貴重な経験でした。
現在は税理士として、申告書の作成から始まり、組織再編やM&Aに係る税務アドバイザリー、国際税務に係るコンサルティングなどを行っています。学問と実務はイコールではありませんが、何を考えるにも法律が大前提であり、在学中に学んだことが仕事における考え方の大事な基礎となっていることを感じます。

※所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2016年2月)

Profile
東京都出身、2004年東京外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒業、2006年横浜国立大学大学院国際社会科学研究科博士課程前期国際関係法専攻修了。

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