石﨑由希子:労働法
ISHIZAKI Yukiko: Employment Law

 

最近の研究テーマ  Recent Research Field

病気休職/ 労働契約の終了/ 合理的配慮/ 労働者の同意

Sick Leave/ Termination of Employment Contract/ Reasonable Accommodation/ Employee Consent

 

主な担当科目  Courses taught

労働法研究Ⅰ~Ⅲ、労働法特殊研究

研究内容  Areas of research interest

労働契約は、労働者が「労働」し、使用者がこれに賃金を支払うことを目的とする契約ですが、労働者は人間ですので、ときに病気にかかり「労働できなくなる」事態が生じます。こうした事態にあって、使用者はどのような根拠でどのような配慮をすべきなのか、どのような場合であれば労働契約の終了が許容されるのか、といった問題を中心に研究を行っています。日本では、業務外の傷病(私傷病)について休職制度や復職に関するルールを置くことは、法律によって強制されるものではなく、あくまでも企業が自主的に行うべきこととされていますが、ドイツやフランスなどでは、休職あるいは復職過程について、一定の法的規律がなされているところです。こうした諸外国の制度や日本との違いなどを踏まえながら、日本においても何らかの法的規律を設けるべきなのか、仮にそうであるとして、根拠はどこに求められるのか、また、どのような内容・性質の規律が望ましいのか、といった問題の検討を検討を進めています。

 

授業内容

労働法の全体を理解するには、法律の条文だけではなく、判例が示したルールを勉強することが重要です。そのため、春学期はまず、最新の労働判例を読み、その判例の意義や射程についての検討を行います。労働判例は分量が多く、読みこなすのが大変かもしれませんが、次第にポイントが分かるようになってきますので、事案を含めて、慌てず丁寧に読んで頂ければと思います。授業では、判例が何を言おうとしているのか、従来の判例や学説との関係でその判例はどのように位置づけられるか、教員を含む参加者全員で議論を行い、議論を踏まえて、学期末には判例評釈をまとめてもらうことになります。
秋学期は、1つまたは複数のテーマに関係する文献を購読し、研究論文を書くことを目的とします。労働時間規制の問題、メンタルヘルスの問題、非正規雇用の問題など、労働法と密接な関係を持つ社会の問題は多数存在しますが、どのような課題を設定するか、何を課題として認識するか、参加者それぞれの問題関心が重要になります。授業では、学術論文やテーマと密接な関係を有する判例を皆で読み進め、議論を行うほか、研究成果を中間報告する機会を複数回設けたいと考えています。他の参加者からのコメントを活かしながら、それぞれの研究をより豊かなものにして頂ければと思います。自分の問題関心に基づき、テーマを少しずつ掘り下げていく過程を楽しんで頂ければ幸いです。

 

教員からのメッセージ

国際経済法学専攻を目指す方へ

労働法は、民法の特別法として位置づけられると同時に、その規制手法には、刑事法や行政法的なアプローチもみられる応用的な法領域です。また、社会保障法のほか、会社法・倒産法・知的財産法・経済法などとの交錯領域や学際領域の研究も盛んになってきています。国際経済法学専攻には、こうした幅広い領域の教員が揃っておりますので、労働法だけでなく、他の領域にも関心をもって頂ければと思います。労働法は比較的新しい学問領域ということもあり、理論的に未解明な部分もまだまだ沢山あります。新たな理論的課題を発見し、それに取り組もうというチャレンジ精神のある方と一緒に勉強できることを楽しみにしています。

 

関連リンク

 


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