笹岡愛美:商法・会社法
SASAOKA Manami :Commercial Law and Company Law

 

最近の研究テーマ Recent Research Field

 

商行為法の現代化

Modernization of Commercial Transaction Law

 

主な担当科目  Courses taught

 

商法特殊研究I/民事法研究VI/演習

研究内容  Areas of research interest

商法の中でも、とくに商行為法について研究しています。とりわけ、商行為法では、責任の短期消滅など一般法である民法とは異なる様々な特殊ルールが採用されていますが、これらを支える実質的な根拠の解明と、現代におけるその変容という論点に関心を持っています。
たとえば、商行為の一種である物品運送取引は、送り主である荷送人と運送業者との契約によって成立しますが、運送の履行の段階では、受取人である荷受人の存在が必要となります。荷受人は契約当事者でないにもかかわらず、法律上、契約上の権利義務の帰属主体となることが予定されます。それでは、さらに進んで荷受人は、自らは第三者である運送契約規範(たとえば、運送約款中の管轄条項や責任制限条項)に無条件で拘束されることとなるのかどうか、訴訟物として不法行為に基づく損害賠償請求権を選択した場合であっても、この請求権は契約規範によって縮減されるのか、さらに、以上を肯定する場合、その法的根拠および要件とは何か、といった点を、外国の法制等と比較しながら検討しています。
また最近では、法的な手当てが未だ十分ではない新規ビジネス、たとえば宇宙機や無人航空機システム(いわゆるドローン)を用いた輸送等に関してどのような法制度を設けることが適切なのかという点についても研究しています。

 

授業内容

商法・会社法の領域では、実定法の知識を学ぶことだけでなく、その具体的な適用を理解することが重要になります。また、学位論文のテーマも、判例の分析を通じて見つかることがあります。そこで民事法研究IVでは、商法・会社法分野における重要判例をじっくり読むという内容の授業を開講しています。この授業では、受講者による報告を素材に、裁判例の基本的な読み方、資料の収集方法、評釈の手法などについて解説します。
加えて、博士課程の学生を対象に、アカデミックな観点から、商法の法典化や商法・ビジネス法という理解の枠組みについて研究した外国の文献を講読する授業(商法特殊研究I)を開講しています。

 

教員からのメッセージ

国際経済法学専攻を目指す方へ

商法・会社法は、先進的・技術的な分野のように思われるかも知れませんが、古くはハンムラビ法典に起源を有するルールが少しずつ形を変えながら現代でも通用しているなど、歴史的な観点から見てもとても奥の深い領域です。また、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)等の国際機関や国際民間組織における法統一作業が盛んに行われていますので、国際問題という視角からアプローチすることも可能です。商法・会社法を専門テーマとしない場合でも、ぜひ授業等で商法の世界に触れてみてください。

 

関連リンク


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