関 ふ佐子:社会保障法・高齢者法
SEKI Fusako : Social Welfare Law, Elder Law

 

 

最近の研究テーマ  Recent Research Field

 

高齢者を社会で支える理由の探求、日本における高齢者法という法分野の構築、日本とアメリカの社会保障法の比較。

 

Pursuing the Reason for Taking Care of the Elderly by the Society,
Building the “Elder Law” in Japan,
Comparative Study of Social Welfare System between Japan and the United States.

 

主な担当科目

社会保障法研究Ⅰ、Ⅱ / 基本社会保障法研究 / 社会保障法演習 / 高齢者法 / 社会保障法特殊研究

Advanced Study in Aging and Law

 

研究内容

なぜ高齢者を社会で支えるのか、その理由について探求しています。高齢者をめぐる社会保障制度の財源を支える若・中年世代の負担増が課題となるなかで、高齢者の人としての尊厳を侵害するなし崩し的な制度改革と世代間不公正の増幅の双方を回避せねばならなくなっています。こうした課題を検証するにあたって、アメリカの高齢者法、社会保障法を日本法と比較しつつ研究しています。社会保障法の日米比較では、アメリカの医療保障改革(オバマケア)も追っています。
アメリカでは、高齢者特有の課題や法制度全般を横断的・学際的・体系的に検証する、対象を高齢者に特化した法分野である「高齢者法」が発達しています。高齢者法は、高齢者特有の法理論を究明し、高齢者の人権を尊重した法政策を探求する学問領域となっています。この高齢者法を日本でも法分野として構築していきたいと研究を進めています。これにあたっては、多分野の法学研究者と弁護士を中心とする実務家が連携してこの分野を研究する高齢者法研究会を立ち上げました。高齢者法研究会を通じて、既存の研究分野ではカバーできない分野横断的な課題について、学際的・横断的に研究していきたいと思っています。

 

授業内容

 
 

社会保障法は、法解釈と立法政策の双方が重要な分野です。そこで、授業やゼミでは、判例を素材に法解釈の勉強をするとともに、あるべき社会保障制度の姿について、他の国と比較しつつ検討しています。
授業では、例えば、裁判官、原告・被告の代理人役に分かれて模擬裁判を行う形で、増加する社会保障関係の判例の検討を通じて法解釈の基本を学べるようにしています。
立法政策の勉強にあたっては、関が参加する各種の有識者会議での検討事項をゼミで議論するなどして、改革の真っただなかにある社会保障制度を検証しています。例えば、高齢社会の全体像を描く高齢社会対策大綱のベースとなった「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書」に盛り込まれた「現役シニア」という言葉は、社会保障法・高齢者法の授業での議論から生まれました。厚生労働省や内閣府の有識者会議などでの私の発言は、みなさんとの議論に触発されています。

 

教員からのメッセージ

 
 
~Let's 生きた立法政策~

研究指導をする大学院のゼミ(ちゃこゼミ)は、博士課程前期と博士課程後期の学生を交えて一緒に行っています。授業やゼミには、学部卒の学生、留学生、行政官庁からの派遣者、実務経験豊かな社会人など、多様な学生が参加し議論を戦わせてきました。みなさんの意見が、各国の社会保障政策の将来像を変えるかも?! そんなゼミに参加してみませんか。

また、ゼミでは、他の国際経済法学専攻の院生やロースクール生と一緒に行う懇親会やゼミ合宿をするなど、学生間の各種の交流もはかっています。
ゼミからは、日本や中国の大学教員、公務員、民間企業に就職する修了生などが巣立っています。国内外の政府派遣の学生や留学生も多く、それぞれの国の職場に戻って活躍しています。

負担の多い(たくさん勉強せねばならない)ゼミですが、課題が山積している社会保障制度について研究したい人、新しい法分野である高齢者法を一緒に創っていきたい人、ぜひ一度連絡をください。

 

ゼミ生からのメッセージ

 

博士課程後期修了生 <西森利樹>

ふだんは和気あいあいとした雰囲気です。ゼミでは、おもに各自の研究を良くするための「次の一歩」を議論しています。後で振り返ると、知らず知らずにたくさんの一歩を積み重ねた自分に気づけます。「たのしく真剣にチャレンジする!」そんな時間を体感したい人、次の一歩を一緒に踏み出しませんか。

 

博士課程後期修了生 <李宣(り せん)>
博士毕业生(中国国费留学生)<李宣>

关老师研究会就像在日留学的家。家族成员由来自海内外的各国人民组成。东南亚的,中日韩的,欧美的。我们的研究会不是只在教室,可以在海边可以在餐厅关老师的别墅里也可以在各个国家的某个角落。在学术上这个家从入门学习开始告诉我什么是研究,通过一次次的集体讨论,互相指出问题并分析解决方法,让我具备了分析辩解能力,从而发表了一篇偏的投稿论文最后用三年半的时间博士毕业。在这个大家庭不仅关乎学习,你的文化生活社会体验,亲情友情爱情国家纷争都可以在这里共同分享一起面对,关老师的研究会是我在日本非常温馨的港湾。非常欢迎你来到我们的国际大家庭。

ちゃこゼミは家族のような存在です。家族メンバーは中日韓、東アジアの国々、欧米など各国の人々からなっています。ゼミは教室で行うだけではなく、レストラン、先生のお宅、海辺、あるいは世界のどこかで行います。ゼミでは、研究の入門から教えられ、毎回の議論を通じて、研究における問題点の発見、問題の解決方法、論文作成能力を身につけることができます。私はちゃこゼミのお陰で、三年半で博士の学位を獲得しました。ちゃこゼミは、勉強のみならず、個人の生活、就職、恋愛についても支えてくれて力になってくれます。日本の我が家に参加されることを期待しています。

 

博士課程後期1年生 <余乾生(よ けんせい)>
1st year Student at the Doctoral Program <Yu qiansheng (David)>

“Chako” seminar includes a large arrange of issues within social welfare area to research, such as pension, long-term care, medical insurance and so on. Following the guidance of professor SEKI who is gentle but strict with academy, I have realized and chosen the issue (long-term care) which interests me most. During the “Chako” seminar, we acquire not only the knowledge of certain policies but also the ability to promote their functions. If you want to participate in improving policies, come and join us.

「ちゃこゼミ」は、年金、医療、介護など広範囲な社会保障分野にまたがって研究するところです。とても優しい関先生の下で、とても厳しい学術的な指導を受け、私は自分の一番興味がある分野(介護)を発見できました。「ちゃこゼミ」では、制度そのものの知識だけではなく、制度を改善する力が求められています。
現行制度をよりよくしたいあなた、「ちゃこゼミ」へようこそ。

 

博士課程前期2年生 <趙奇婧(ちょう きせい)>
硕士2年级 <赵 奇婧>

总结了四点对我们课堂的印象:
① 教授在学术方面要求很严格。留学生的日语提高,论文指导,甚至就职活动都会悉心帮助教导,受益匪浅。
② 日本,中国,韩国,英国,菲律宾等国家的学生一起上课,互相交流各国最新专业知识,开阔视野,可以感到很强的国际化教学。
③ 除了专业学习外,每年都有合宿,联欢,赏花等活动,可以得到尽情的放松,增添美好回忆。
④ 课堂时间有点长,但可以别吃零食边学习,也可以说算是一个有趣的特色吧。

自分が感じるゼミのイメージを4点まとめました:
① 教授は研究の面で真面目で、厳しいです。留学生の日本語、論文の指導、就職活動まで支えてくれるので、ゼミ生にとって、すごく勉強になると思います。
② 日本、中国、韓国、イギリス、フィリピンなどの学生たちが一緒に授業を受けることがあり、お互いの交流により、各国の社会保障に関する一番新しい情報を手に入れられるため、視野を広げられ、国際感を強く感じられます。
③ 研究以外に、毎年、合宿、コンパ、花見などの活動があり、すごく楽しくてリッラクスできます。いい思い出になります。
④ ゼミ時間が少し長いけれど、お菓子をたべながら勉強することができ、一つの面白い特徴ともいえると思います。

 

博士課程前期2年生, 韓国留学生(政府派遣) <金仁州(キム インジュ)>

석사과정2학년, 한국유학생(정부파견) 〈김인주〉
차코제미에서는 사회보장법을 전반적으로 학습할 수 있을 뿐만 아니라 관련 학문(노동법, 민법, 법철학 등)도 함께 학습할 수 있습니다. 또한, 동경사회보장법연구회 등 각종 연구회의 참가 및 정책과정(회의 등)에 대한 참관 등을 통해 보다 폭넓은 연구의 기회가 주어집니다. 특히, 매주 진행되는 제미(논문지도수업)를 통해 꾸준히 논문작성을 할 수 있는 것이 챠코제미의 가장 큰 장점이라고 생각합니다. 일본어 등 대학원에서 필요한 것은 연구생과정에서 준비할 수 있으므로, 망설이지 말고, 지금, 세키 교수님께 메일로 상담해 주세요.

ちゃこゼミでは、社会保障法を全般的に学習できるだけではなく、関連学問(労働法、民法、法哲学等)もともに学ぶことができます。また、東京社会保障法研究会など各種研究会への参加及び政策過程を学べる有識者会議等の傍聴を通じた、より幅広い研究の機会が与えられます。特に、毎週行われるゼミ(論文指導の授業)で、絶えず論文作成が可能なのがちゃこゼミの長所と思います。博士課程に必要な日本語等は研究生の期間を通じて十分に準備することができるため、迷わずに、関先生にメールで相談してください。

(※ゼミ生肩書きは2015年のものです)

 

My favorite

 

美味しいものを食べながら話をするなど人と交流することが好きです。大連にゼミ合宿に行った際は、ゼミ生の案内で毎日美味しい中華料理を食べ歩きました。加えて、日中韓の学生が一緒に旅順の日露監獄旧跡博物館などを見学し意見交換するという貴重な時間を過ごしました。自由な意見交換ができるのが大学の良いところです。

 

関連リンク

 


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