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米村幸太郎:法理学
YONEMURA Kotaro :Philosophy of Law
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最近の研究テーマ Recent Research Field分配的、応報的正義における功績の役割、福利論 、とくに快楽説と欲求説 Desert and distributive and retributive justice/ Theory of well-being, especially hedonism and desire theory
主な担当科目 Courses taught法理学Ⅰ/法理学Ⅱ/法理学Ⅲ |
研究内容 Areas of research interest
法理学の分野のうち、正義論を中心に研究しています。とくに最近は、功績(desert)概念の分析と、功績と正義との関係について研究を進めています。功績の概念は、ロールズ以来、分配的正義にとって無意義なものとされてきましたが、その議論には近年疑問が投げかけられています。功績を組み込んだ分配論の可能性や、功績概念を基底とした刑罰についての応報主義の可能性について明らかにすることが当面の課題です。
授業内容
法理学−−法哲学とも呼ばれます−−は、法に関わるさまざまな理念を哲学の道具立てを使って解明することを任務とする領域です。そこには正義や平等、自由といった法が実現すべきだとされている諸価値ももちろん含まれますし(法価値論)、法という概念それ自体も法理学的分析の重要な対象です(法概念論)。現在担当している法理学Ⅰ〜Ⅲでは法価値論を扱っています。
法理学Ⅰでは功利主義からはじめてリバタリアニズムや平等主義について検討します。法理学Ⅱでは共同体論からはじめて、多文化主義やフェミニズム、そして政治的リベラリズムまでを検討します。法理学ⅠとⅡを合わせて、現代正義論の主要な議論状況を一通り概観できるようにしています。法理学Ⅲで扱う内容は年度によって違いますが、たとえばグローバルジャスティスなど、受講者の皆さんの関心にも合わせながら、より先端的な内容を扱うことにしています。
授業ではこちらから講学的説明も行いますが、メインとなるのは、毎回対象となる哲学的立場についての課題文献を読んできてもらい、それに基づいて質疑応答を行うことです。法理学上の学説について教師から整理された説明を与えられそれを理解する、ということももちろん大事なのですが、そのような整理がなされていない「ナマの」文献に触れ、それに触発されてあれこれ自分で思い悩んでみることが、結局は法理学を理解するにも早道ですし、必ずしも法理学を専攻としない学生さんにとっても自分の思考を真に深める機会を提供することになると考えています。意欲ある皆さんの受講をお待ちしています。