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荒木一郞:国際法、国際経済法
ARAKI Ichiro : Public International Law, International Economic Law
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最近の研究テーマ Recent Research Field国際通商法と投資法の関係 With the Doha Round now in stalemate, the focus of discussion among trade lawyers and policy-makers seem to have shifted to bilateral and regional trade agreements from the multilateral trading system. Particularly controversial is the relationship between trade regulations and investment regimes (including the investor-to-state arbitration clause). I am interested in analyzing the possibility of conflicts between the two regimes in the context of dispute settlement. |
主な担当科目 Courses taught
「国際法特殊研究Ⅱ」「Advanced Study in International Law II」
研究内容 Areas of research interest
国際法の中でもとりわけ通商法(貿易投資法)について研究しています。通商法は国際法の一分野かどうか(むしろ経済法や国際取引法との親和性が強いのではないか)という点だけでも大論争があるところですが、私は私人が行う貿易や投資といった活動に対する国家の公法的規制を対象とするという点で、国際法の一分野だと割り切ってよいと考えています。実はこの分野に興味を持つようになったきっかけは、通産省(当時)の交渉官やWTO事務局職員としての実務感覚からなので、学問体系の純粋さよりも具体的妥当性、政策的インプリケーションを重視しがちです。実際に、WTOの紛争解決小委員会(パネル)の委員や産業構造審議会の委員として、実践にも深く関わっています。また、この分野は英語で情報発信をしないと国際的に認知されないので、英文での論文も書こうと心がけていますが、なかなか実現できていないのが反省点です。
授業内容
授業は、基本的に文献講読です。学生の要望も聴取しつつ、国際法とその周辺領
域にに関する英語の文献を読んでいきます。国際法の理論に関する最新の文献を読むこともありますが、過去には国際関係論や国際経済学の世界で「古典」とさ
れている書籍を読んだこともあります。学生の構成は年によって変わりますが、どの年度も非常に国際的です。2015年度春学期の受講者の国籍は、ベトナム、韓国、コスタリカ、ハイチ、中国、スリランカでした。これだけ参加者の背景が異なっていると、各自の持っている予備知識の内容も千差万別で、教える側にとっても毎回が新鮮な驚きの連続です。2008年以来アジア国際法学会日本協会の事務局長をしているのですが、毎週の授業が学会本部(シンガポール)の風景と重なって見えました。
教員からのメッセージ
国際経済法学専攻を目指す方へ
私の得意分野(コア・コンピテンス)は上記のようなことなのですが、着任以来10数年にわたり、同僚の柳赫秀教授と合同でゼミ(演習)をやってきたので、過去に論文指導をした内容はかなり多岐にわたっています(難民問題から安全保障政策まで)。特定のイデオロギーを押しつけるつもりはまったくありませんので、WTOや多国籍企業の活動について批判的な論文も指導したことがあります。問題意識が明確で、論理の展開がしっかりしていれば大丈夫です。本居宣長の『玉勝間』に「師の説になづまざること」という有名な一節がありますが、まさにそういうことです。
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