小林誉明:政治経済学、開発協力論、ODA政策研究
KOBAYASHI Takaaki :Political Economy, Development Studies, ODA Policy

 

最近の研究テーマ  Recent Research Field

●難民に対する人道支援
●新たな援助アーキテクチャーの検討
●南南協力の効果分析

●Best Practice of Humanitarian Assistance for Refugee
●Possibility of New Aid Architecture
●Effectiveness of South-South Cooperation

 

主な担当科目  Courses taught

開発協力論Ⅰ、開発協力論Ⅱ、開発協力論Ⅲ、演習

研究内容  Areas of research interest

近年「新興国ドナー」によって展開される「南南協力」の実践は、南北協力を前提として構成されてきた既往の国際協力のゲームのルールに根本的な改変を迫るものです。ところが、南南協力の規範や原理とは何かは必ずしも明確ではなく、そこに国際協力の新たなモデルが見いだしうるか等、解くべき問いが無数に広がっています。何よりも、援助の受け手たる途上国も含めたゲームにおいて、どのようにルールの改変をもたらしているかは未知です。既往の体制の下では提供されず、南南協力によってこそ提供される価値があるのか、あるとすればそれは何なのかを探ろうとして研究をしています。なかでも特に、中東や中部アフリカで発生している難民問題に対して周辺国が提供している難民受け入れを中心とした人道支援につき、南南協力の一つの形態として着目しています。

    

授業内容

「開発協力論」が扱う国際開発協力(特に政府開発援助:ODA)を巡っては様々な論争が繰り広げられてきたが、体系的に理解するための理論枠組や分析方法等は確立していません。これは、国際開発協力という事象が、様々な学問を総動員しなければ解けない「社会科学の応用問題」であることの裏返しといえます。私の担当する講義では、この応用問題を習得していくための体系的なトレーニングを、開発協力論Ⅰ, 開発協力論Ⅱ、開発協力論Ⅲに分けて段階的に実施しています。
●開発協力論Ⅰでは、開発途上国が直面する資源不足に起因する貧困問題や環境問題といった「開発課題」の原因を分析するとともに、その解決枠組としての市場メカニズムや公共部門ガバナンスのあり方を検討します。
●開発協力論Ⅱでは、開発途上国を支援するドナー国側による「援助政策」が有効に機能する場合としない場合を分ける要因を分析するとともに、その改善のための方策を検討します。
●開発協力論Ⅲは、国際協力におけるホットなトピックを扱います。これまでは、法整備支援の「実践」、開発協力の「古典」といったテーマ設定を行いました。

開講中のシラバスについてはこちらのサイトをご覧ください。

 

教員からのメッセージ

国際経済法学専攻を目指す方へ

日本における国際開発協力の分野ほど、「理論」と「実践」とが乖離してきた分野も少ないと思われます。その理由は、現実世界における途上国の課題とその対処策として実施される援助によって形作られる開発協力の「潮流」の変化が極めて早く、その早さに学問が追いつかないことによります。加えて、開発協力の実務が高度に専門特化してしまったこともあり、研究者がアクセスできる情報が限られていることが挙げられます。しかしその一方でまた、この分野ほど現実課題に対する学問の直接的貢献が期待されている分野も珍しいというのも事実です。こうしたジレンマを打開するためには、開発援助の実務にも精通しつつアカデミックな視角をもつ分析者が必要となります。そして、そのような分析的な視角さえ獲得できれば、研究すべきテーマが無限に広がっているのもこの分野の特徴です。ある意味、「学問のフロンティア」といえます。フロンティアを開拓してやろうという野心のある皆さんの挑戦を待っています。

 

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