追悼 西川佳代教授

 

横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授 西川 佳代先生におかれましては、2024年1月25日(木)に逝去されました。


西川先生は2013年4月に横浜国立大学大学院国際社会科学府国際経済法学専攻の教授として着任され、民事訴訟法や執行・倒産法などの講義・演習を通じ、学部・大学院の教育と研究指導にあたり、多くの優れた人材を育成されてきました。また、研究面では、民事手続法学、とりわけ民事執行手続の分析に力を入れ、紛争は社会学的・心理学的概念であり、その解決はあくまでも当事者自らが主体的に行っていくべきものであるとの問題意識から、従来の議論の問題点とその解決の方向性を明らかにしてこられました。近時はこのような問題意識のもと、諫早湾干拓紛争に着目し、共同研究を組織・主導して研究成果を纏め上げられました。


西川先生の突然の訃報は残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りします。

 

主な研究業績
○「民事紛争処理過程における執行制度の機能(一)(二・完)」民商法雑誌109巻3号(1993年)444-470頁、4=5号(1994年)759-796頁
○「執行ADRの必要性」判例タイムズ1043号(2000年)8頁
○法学セミナー特集「諫早湾干拓紛争の諸問題―法学と政治学からの分析」法学セミナー766号(2018年)9-68頁(分担執筆)
○井上治典編『ブリッジブック民事訴訟法〔第3版〕』(2022年、信山社)(分担執筆)

○和田仁孝ほか編『新ブリッジブック法社会学―臨床的アプローチ』(2022年、信山社)(分担執筆)