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日時	2014年11月19日（水）18：00～19：30
場所	国際社会科学研究棟203号室 （横国大HPアクセスガイドよりキャンパスマップN3-2参照）
講師	宮澤　俊昭　教授 （横浜国立大学大学院国際社会科学研究院）
題目	賃借物をめぐる法律問題

 

賃借物を巡る法律問題

　11月19日午後６時より開催された平成26年度第4回研究会においては、賃借物を巡る法律問題として、ＡがＣから賃借した建物が最新の免震構造を備えているとして賃料が高く設定されていたのに、そうではなかったことが判明し、Ａがその後の賃料の支払を拒絶した事例を素材としながら、賃貸人と賃借人との間の法律関係について、参加学生の積極的な議論への参加があるなか、検討を行った。
この事例においては、当初の契約において当事者が想定していた性質を賃借物が備えていなかった場合、その法的評価をどのように行うのか、という点が問題となる。さらに、直接適用が可能となる規範が法定されていないなか、民法の一般法理も基礎に置きながら、他の規定の類推適用など民法の体系的解釈をする必要がある。このような法的思考の基本的なあり方を確認しながら、賃料を減額する請求を賃借人が行ったと構成した場合、賃料が当初高く設定されていた部分について損害と捉えたうえで損害賠償請求を賃借人が行ったと構成した場合のそれぞれについて、具体的な法律構成とその結論の妥当性について、講師による論点整理を基礎としながら、全員で議論を進めた。
本研究会においては、大学院所属の学生のみならず、学部所属学生の参加もあり、それぞれが自らの知見を基礎としながら積極的に議論を行うことを通じて、参加者全員の理解を深めることができた。

（宮澤俊昭）